今回お伝えするのは、コンセプトを作ったり、ライティングをしていく上で欠かせない「情報をリサーチ」する方法です。
あなたは「3つの目」というものを聞いたことがあるでしょうか。
「鳥の目・虫の目・魚の目」といった、様々な角度から物事を見る方法で、かなり質の高いリサーチをすることができます。
たとえば、ある1つの飲料水を紹介するとします。じゃあ、すぐにその商品を紹介する文章を書けるかといったらまず難しいですし、書いたとしてもかなり薄い内容になってしまうんです。
そもそもその商品の情報を十分に知っているのか、競合はどんなものがあるのか、世間ではどんな飲料水が流行っているのか、人々は飲料水にどれくらいのお金を使うのかなどなど、書き始めるには情報が足らなすぎなんです。
新しいコンセプトを作るにしろ、ライティングするにしても、情報がゼロではユーザーの心を動かすことはできません。
マーケティングは情報戦。リサーチで7割が決まります。
この「3つの目」による情報リサーチの方法をこの記事で知ってもらって、ぜひクオリティの高いコンセプトを作り、ライティングをする参考にしてください。
3つの目とは?「鳥の目・虫の目・魚の目」
ライターもマーケターも、ユーザーと向き合うことが大切です。
ユーザーが何に悩み、何を求めているのか。それを知るためには、私たちの脳みそだけでは限界があります。ならば実際に調べて、自分の目で確かめる方が確実。
でも、がむしゃらに調べたとしても、情報が足らなかったり、集めるだけ集めてごちゃごちゃになって、まとまりがつかなくなってしまいます。
そこで活用するのが3つの目。
「鳥の目・虫の目・魚の目」です。
簡単にまとめるとこのようになります。
全体を見る視点・・・経済・市場・世の中の人の動き
細部を見る視点・・・競合商品・ペルソナ・その頭の中
流れを見る視点・・・歴史・世の中の流れ・トレンド
このように3つの目によって、くまなく情報のリサーチをすることができます。
それでは1つずつ、解説していきましょう。
鳥の目
1つ目の視点が「鳥の目」です。
「鳥の目」=「鳥のように高いところから全体を見る視点」と覚えてください。
経済・市場・世の中の人の動きといった、全体像を把握するための視点です。
まず対象の商品やサービスに対して、どのような市場なのかを俯瞰して見ていきます。
たとえばダイエットサプリなら、今、市場ではどれくらい需要があるのかを調べるため、
- ダイエットサプリの市場規模は?
- ダイエットしたい人の男女比は?
- 何歳くらいが最も多い?
- ダイエットにかけられる金額の平均は?
- 今、どんなダイエットが人気?
- どのように痩せたい人が多い?
- どれくらいの期間で痩せたい人が多い?
- ダイエットでどんなことを悩んでいる?
- 何のために痩せたい?
- 痩せたいと思ったきっかけは?
- どこのお肉が一番気になる?
などなど、その商品の業界の情報をリサーチしていきます。
こういった情報はネットで調べていくと、グラフなどでまとめられているものサイトもあるので、結構収集しやすいです。まずはとことん全体像をつかんでいくというステップなので、その業界のことを調べまくってみましょう。
最もやってはいけないのが、情報を絞りすぎてしまってリサーチ不足になってしまうことです。
なので「この情報は必要かな?必要じゃないかな?」というのは一切考えず、「なんか使えそう!」という情報をとにかく集めていきましょう!
虫の目
2つ目の視点が「虫の目」です。
「虫の目」=「虫のように細部に近づいて見る視点」と覚えてください。
競合商品・ペルソナ・その頭の中といった、ミクロな視点にフォーカスした視点です。
「鳥の目」で市場全体を俯瞰して見たあとは、もう少し細かいところに視点を近づけていきます。
- 競合商品はどんなものがあるのか?
- ダイエットサプリの金額の相場は?
- どのようなユーザーがサプリに興味を引きそうか?
- そのユーザーはどんな考えでサプリに興味を持っているのか?
- ダイエットサプリで人気の商品はなぜ人気なのか?
- トレーニングジムではなくサプリを欲する心理は?
- 競合商品にはない今回の商品の強みはなんだろうか?
- ユーザーが1日の中で痩せたいって思う瞬間はいつだろうか?
- ダイエットサプリにどんな印象を持っているのか?
- どんな瞬間に「痩せてよかった!」とユーザーは思うのか?
などなど、鳥の目に比べてさらに細かいところをとことん見ていきます。
この例の場合、実際にダイエットサプリをいくつか試してみてもいいですし、現場をとことん知ることにフォーカスしてみてください。
市場やユーザーに密着して観察をしていくことで、競合商品にはない強みを見つけたり、コンセプトを完成させるためのヒントを得られるでしょう。
こちらも情報を集めすぎて無駄ということはありません。「鳥の目」で市場全体を把握して、「虫の目」で市場の中身をとことんリサーチしていく。
ここをいかに妥協なく、調べ尽くすことができるかによって、コンセプトやライティングの質が大きく変わってきます。
魚の目
3つ目の視点が「魚の目」です。
「魚の目」=「魚のように流れを見る視点」と覚えてください。
こちらは歴史や世の中の流れ、トレンドといった物事の流れや変化といった「動き」を捉えるのに特化した視点です。
「鳥の目」「虫の目」で見えてきたコンセプトの形が、果たして今の時代に合ったものなのか?それを最後に確かめていきます。
現代社会では価値観や消費者が興味を持つものが、目まぐるしく変わっています。
例えばコロナ禍になってからマスクの需要が高くなり、通気性の良いものやデザイン性があるものなど、様々な商品が誕生しました。これもコロナ禍といった時代の流れがあってこそ、生まれた需要なんですね。
それだけではなく、飲食物や美容品、ファッションなどもそれぞれ市場のトレンドがあって、常に変化をしていきます。
その時代の変化をしっかりと捉えることができるかが重要で、今の時代に乗れなければ、ユーザーに見向きもされません。極端な例ですが、スマホが普及している今、最新のガラケーを発売してもコアな層しか買わないと思いますし、売上爆発は狙えませんよね。
時代の変化を捉えられることが大切。そして、その変化を逃さないためにも「魚の目」で変化を捉える視点が欠かせないんです。
情報のまとめ方
「3つの目」で情報をリサーチしていく上で、どのようにまとめていくのか。
これは正直なところ、やりやすい形で良いと思います。
ノートに手書きでまとめるのも良し、Googleドキュメントやスプレッドシートにまとめるの良し、何かアプリを使っても良し。
ちなみに私はマインドマップを使っており、以下の「Mind Meister」や「Miro」といったものがおすすめです。情報をまとめやすく、振り返りやすいので、ぜひ活用してみてくださいね。
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まとめ
今回は情報リサーチに必要な「3つの目」について解説しました。
- 「鳥の目」で全体を俯瞰して見る
- 「虫の目」で細部を見る
- 「魚の目」で流れを見る
といった順番で行っていくと良いでしょう。
この3つの目は、どれも欠かすことはできません。虫の目だけを使っても全体像が把握できないですし、鳥の目だけを使っても細部の情報を見落としてしまいます。それに魚の目でどんな変化をしているのかを見ることも怠ってはいけません。
どれか1つではなく、「3つの目」をそれぞれ使いこなして、質の高い情報リサーチをしていきましょう。
冒頭でもお伝えしましたが、マーケティングは情報戦、リサーチが7割です。
小手先のライティングテクニックに頼るのではなく、商品や市場のリサーチを徹底的にすることを意識していきましょう!