売れるコンセプトの条件「3K」とは?

今回お伝えするのは、売れるコンセプトの条件というものです。

ライティングするための情報をリサーチして、ターゲットやペルソナを決めて、ベネフィットやUSPを見つける。そして数ある情報を料理して渾身のコンセプトを作り上げる!

・・・ただ、本当にそのコンセプトがユーザーに刺さるものなのか?そもそも良いコンセプトなのか?

そういった不安もあると思います。

そこで今回は作り上げたコンセプトが良いものなのかを判断する「3K」をご紹介します。さらにコンセプトをブラッシュアップする要素にもなるので、ぜひ最後までご覧くださいね。

「3K」とはある3つの力

では早速「3K」についてお伝えしていこうと思いますが、そもそも3Kって何?って思いますよね。

世間一般的に聞く3Kとは「高収入・高身長・高学歴」といった、モテる男の条件かもしれません。この令和だと時代遅れの条件かもしれませんが…。

それはさておき、今回お話する「3K」とはこちらの3つ。

  • 共有力
  • 期待力
  • 起点力

というものです。

売れるコンセプトの条件3Kの画像

この3つが入っているかどうかで、コンセプトのクオリティは大きく変わっていきます。

もちろん、3つあれば必ず売れるということではないですし、うまくいかない時もあるでしょう。ただ、できる限り成功確率を上げるために非常に有効な視点でもあります。

それではそれぞれ、1つずつ解説していきましょう。

「3K」その1:共有力

まず1つ目が「共有力」というもの。

これは「コンセプトを見たとき、意味がわかりやすい」というものです。

初めて聞いてすぐ頭に入ってくるコンセプトは、ユーザーとしても何を得られるのかが明確になりやすいんです。

たとえば、

  • 吸引力が落ちない掃除機(ダイソン)
  • 日本一楽しい漢字ドリル(うんこ漢字ドリル)
  • 一流のイタリアンを低価格で楽しめる(俺のイタリアン)

というように、どれもひと目見て意味がわかるものです。

共有力はコンセプトを見たとき意味が分かりやすいという解説画像

コンセプトはあくまでも「概念」であり、キャッチコピーではありません。よくやってしまいがちなのがコンセプトをキャッチコピーっぽくしてしまうこと。すごそうな雰囲気で騙されてしまいがちですが、一歩引いて見るとよくわからないコンセプトになっていたり。

自分だけがわかっていて、他の人はよくわからないコンセプトが一番危険です。自分以外の人に伝わらない、魅力を感じないコンセプトになってしまっているためですね。

「このコンセプト、自分以外の人でもわかるかな?」という視点を持つことが大切ですし、そのプロジェクトに関わっていない、ご家族や友人などに見てもらうことをおすすめします。

そのコンセプトに対して「え、いいね!面白そう!」という反応があれば、しっかり「共有力」の条件は満たしています。逆に「え、どういうこと?」となったらコンセプトがわかりにくく、イメージが伝わっていないということ。

本当にわかりやすいコンセプトになっているか、見直してみると良いでしょう。

「3K」その2:期待力

2つ目は「期待力」というものです。

これは「そのコンセプトがワクワクするものかどうか」という視点です。

ユーザーは今の生活を何かしら変えてくれる、今までありそうでなかったものを期待しています。コンセプト自体に驚きがあったり、面白そうと感じさせてくれるものが備わっていると、「期待力」があるといえるでしょう。

いくつか例をあげると、

  • 家でも職場でもない第3の場所(スターバックスコーヒー)
  • 知識・スキルを500円で売り買いできる(ココナラ)
  • 1000曲を ポケットに(iPod)

というコンセプトが「期待力」が入っていると言えます。どれもなんだか楽しくワクワクするような気持ちを抱かせてくれますよね。

期待力はそのコンセプトを見て楽しそうでワクワクできるかという解説画像

ここでやってしまいがちなのが、1つ目の「共有力」を意識しすぎてしまうこと。わかりやすいコンセプトにしようとしすぎて、「確かにわかるけど、なんか面白みがない」ものになってしまうんです。

人は感情によって行動をして、感情が動くことで商品を購入します。その商品の軸となるコンセプトに面白みがないと、やはり人は購入をしてくれないんです。

この「期待力」を上げるためには、ロジックやフローでなんとかなるものではありません。

世の中の色々なコンテンツや表現に刺激を受けて、経験を積み重ねていくことで、強い期待力を備えるためのアイデアが生まれると思います。

かといって、突拍子もないコンセプトは期待力ではないので、ご注意ください。

「不老不死になれる!」と言っても、それは今ではまず実現できないものですし、現実味がなければユーザーの興味を引くこともできません。

狙うところは「なさそうでなかったもの」ではなく、「ありそうでなかったもの」です。

それあったらマジほしい!という、絶妙なところを突くのが良い「期待感」だと思います。

これも一度作ったコンセプトを他の人に見てもらって、「面白そう!」というワクワクさを感じてもらっているかで判断しても良いでしょう。

「3K」その3:起点力

3つ目は「起点力」というものです。

「コンセプトからサービスやコミュニケーションなどのアイデアが出てくるかどうか」といった力となります。

起点力はそのコンセプトを見て様々なアイデアが出てくるかという解説画像

これはどちらかというとユーザー側というより、販売者側としての意味が強いものです。この「起点力」が弱いとアイデアが乏しくなり、商品があまり軌道にならないといった恐れがあります。

つまり、「せっかく良いコンセプトっぽかったのに、勢いは最初だけだったね」と尻つぼみになってしまうということです。

3つのKの中でも、最も抽象度が高く難しいところだと思いますが、1つ言うならば「そのコンセプトからストーリーが想像できるか」ということです。

たとえば、いつも例に出すiPodの「1000曲を ポケットに」ならば、

  • そんなに曲が入れば長時間外出が楽しめる
  • いろんな曲が入るから日によって曲を選べる
  • たくさん曲が入るのに重くないから旅行にも最適

というように、色々なシーン、物語をイメージできそうですよね。

そこからカスタマージャーニーを作っていけますし、新たなアイデアが出てくることもあります。

特に長期的にヒットする商品は、この「起点力」がしっかり備わっていると考えています。

あなたの作ったコンセプトも物語をイメージできるか、ぜひ振り返ってみてください。

まとめ

コンセプトはその商品やサービスの軸となる部分のため、できる限り時間を使って最高のものにする必要があります。ただ、時間をかければかけるほど、本当に良いコンセプトなのかわからなくなってしまうもの。

その上でこの「3K」の視点で、見直してみることをおすすめします。

「誰が見てもわかるかな」「ワクワクできるかな」「アイデアが広がりそうかな」

といった3つの視点を持つだけで、あなたのコンセプトもグッと良いものに仕上げるでしょう。ぜひ、コンセプトを作ったあとに「3K」で確認してみてくださいね。