商品を売り出すために欠かせない、独自性となる「商品のUSP」。
競合の他商品と差別化するためにも、このUSPは重要視しなければいけないポイントです。
ただこの商品のUSP、独自性が強ければいいとか、なにかの機能がめちゃめちゃ優れているからいいというわけではありません。
お客さんに「刺さる」商品のUSPを見つけることが大切です。
そこで今回の記事では、実際に世の中に出ている商品のUSPを紹介していき、なぜそれが売れているのかを解説していきたいと思います。
色んな事例を見ることで「良い商品のUSPってのがなんとなくわかってきた!」と感じてもらえれば嬉しいです。
そもそもUSPとは?
「てかUSPって何?」という方もいると思いますし、簡単にUSPの説明からしてきます。
USPとは「Unique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)」の略となり、その商品が持つ「独自の売り」となります。
こちらの記事では、「商品のUSPとはなにか?」「USPの作り方とは?」といったところを、より詳しく紹介しているので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。
最高のコンセプトを作り上げるために欠かせない要素が「商品のUSP」。 いくらターゲットを絞り込んでも、ベネフィットを伝えても、この商品のUSPに欠けてしまっていると売上最大化につながりにくくなります。 今回の記事では、競合に打ち勝[…]
実際に商品のUSPを見つけるフローは上記の記事で解説していますが、見つけたUSPが本当に良いものなのか不安になることもあるでしょう。
そんなときは、以下の「刺さる商品USPに欠かせない3つのポイント」を意識してみてください。
- お客さんへの提案であること
単なる言葉の羅列や宣伝文句ではなく、「この商品を買えば、こういう利益が手に入る」と伝えるべき。 - 独自のものであること
競合が同じ提案をできない、またはしないものであるべき。 - 提案は強力であること
大衆を動かす力がある提案をするべき。
というものです。
つまり最高な商品のUSPとは「お客さんにメリットがあって、他には思いつかないような独自のものであって、しかもインパクトがあって強力なもの」ということです。
ではいくつか事例を見ていき、どんな商品のUSPを掲げているのかを見ていきましょう。
事例1:ドミノ・ピザ
こちらはあまりにも秀逸なUSPなので、紹介しない手はありません。
このUSPで最も特徴的なところは「間に合わなければ無料」というメリットです。ドミノピザは「味」ではなく「スピード」を約束しており、「スピード」を求めている顧客を一気に取り込むことができました。
今まではピザといったら、1時間以上配達がかかったり、届いた頃にはちょっと冷めていたりがよくありました。その常識を覆した、お客さんにとって嬉しい提案になっています。
「熱々のピザを早く食べることができる、もし間に合わなかったらお金を払わなくて良い」そんなお客さん側のメリットをイメージできると思いますし、味ではなくスピードにフォーカスしたという独自性、そして間に合わなければ無料という提案も強力。
見事の一言に尽きます。
事例2:ASKUL(アスクル)
こちらはオフィス用品に特化した通販サイトですね。
その名前の通り「注文したら、明日来る」=「明日お届けする」というUSPとなっています。ドミノピザと同じようにスピードを強くアピールできているUSPですね。
事務用品は様々なものがありますし、「あっ、もうコピー用紙なくなりそう!」など、ギリギリで気づくパターンも少なくありません。そんなとき、「注文すれば明日来る」というUSPは、かなり需要があると感じます。
USPをそのまま社名に取り入れており、シンプルながら、サービスのメリットとインパクトを兼ね備えているネーミングになっていますね。
事例3:QBハウス
駅などでよく見かけるヘアカット専門店ですね。
カット技術にそこまで重視しておらず、時間もお金もできるだけかけたくないと思っている層をターゲットにしています。50代以上のお父さん世代が多いのではないでしょうか。
床屋さんなどではどうしても1時間近くの拘束時間となってしまって、3,000~5,000円とお金もそこそこかかってしまいます。
ただQBハウスはメニューはカットのみとなり、洗髪やドライヤー、マッサージなどもないので10分で完結することができますし、価格も1,000円で抑えられます。
美容業界にはなかった「早い」「安い」をうまく打ち出したUSPですね。
事例4:M&Ms
こちらはチョコレートの商品です。
表面がコーティングされていてカラフルな見た目が特徴的ですね。この「お口でとろけて、手にとけない」は、キャッチコピーでもあり商品のUSPでもあると思いました。
そもそもチョコレートといえば、子どもが食べると手も服も汚してしまうイメージですが、その常識を覆した商品と言えます。
ターゲットは子どもというよりも、買ってあげる母親でしょう。「子どもが食べても服や家具を汚さない」という実にわかりやすいメリットで、お母さん方のたくさんの共感を得ることができました。
事例5:iPod
これは世界的ヒットした音楽プレイヤーですね。
iPodは超小型、超軽量というスペックを持っていながら、それをそのまま打ち出してはいません。色々なサイトを見てみると分かるように、多くの企業はスペックについて記載しています。「世界最軽量のノートパソコンです!」というような文言、よく見ますよね。
でもiPodは世界最軽量の音楽プレイヤーとは言わず、「ポケットに1000曲」というコピーにしました。
iPodのUSPは端的に見れば確かに「超小型、超軽量でたくさん音楽が入る」というスペックかもしれません。ただ、それをそのまま世に出すのではなく、ユーザーが使っているシーンをイメージできるところまでコンセプトとしてブラッシュアップすることで、大ヒット作になったんです。
こちらの例はコンセプトやキャッチコピーの段階となりますが、USPをそのまま打ち出さず、ユーザーが使っているシーンをイメージできるところまで磨き上げる大切さもお伝えしたくピックアップしました。
まとめ
実際に商品のUSPを見つけたとしても、それが本当にベストなものなのか、判断が難しいと思います。
そこで最も参考になるのが、すでに世の中でヒットしている商品のUSPです。
もちろん、そのまま真似してはいけませんが「こういうところに着目したんだな~」「確かにこれは競合は思いつかなそうだ」「なのにシンプルで強力だな」というように、何かしらのヒントが得られるはずです。
今回ご紹介した事例の他にも、秀逸なUSPはたくさんあります。色んなUSPを参考にすることで、あなたの商品のUSPを見つける力が、グンと上がるはずです!