あなたは「バーナム効果」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか?
多くの人が馴染み深い占いやおみくじでも、バーナム効果というものが使われています。ライティングにおいても、ユーザーの心を掴み取るテクニックとして活用されているんです。
LPやメールなどで利用することで、よりユーザーの関心を高めることができますし、商品購入に繋げやすくなります。
今回はそんな「バーナム効果」についてご紹介していきましょう。
「バーナム効果」とは?
バーナム効果とは誰にでも当てはまるようなことを言われた際に、自分に当てはまっていると錯覚させる現象となります。
例えば血液型占い。多くの方はそれぞれの血液型を、以下のようにイメージをしがちではないでしょうか。
- A型…真面目、几帳面、心配性
- B型…個性的、自己中心的、自由人
- O型…おおらか、大雑把、社交的
- AB型…気分屋、二面性がある、変わり者
こちらを見て、「当たっているな」と思う部分もあると思いますが、実は血液型占いは科学的根拠はまったくないと言われています。(Wikipediaでも記載されています)
海外では血液型占いはあまり浸透しておらず、血液型で性格を占うのは日本くらいなんですね。
実際にA型の人だけが真面目ではなく、誰もが真面目な部分はあると思います。例えばお仕事に対してA型以外の人は全員不真面目なのか?といったらまずそんなことはありませんよね。
血液型に関係なく、誰もが真面目で社交的な面もあり、気分屋な部分もあったり、自由な一面もあるということです。
ただ真面目という部分を「A型の特徴」と浸透したことで、A型の人は「自分に当てはまっている」と思うようになります。別の人からも「あの人は真面目だしA型っぽい」と思うようになります。
このように当てはまる部分を意識させることで、「自分に当てはまっている」と思わせる。これがバーナム効果です。
ライティングでバーナム効果を活用する「3つのポイント」
バーナム効果の仕組みがなんとなくわかったところで、実際にどのようにしてライティングで活用するのか。そこで3つのポイントをピックアップしてみました。
- 当てはまりやすい言葉を使う
- 特定の相手に向けて発信する
- ポジティブな内容を多くする
こちらについて1つずつ見ていきましょう。
1. 当てはまりやすい言葉を使う
バーナム効果を生み出すためには、言葉選びが最も重要です。
例えば、「あなたは今のお仕事を行っていく中で、どこかしら不満も感じていますよね」と投げかけるとします。これはかなり曖昧で幅を利かせた質問となり、人によって「給料面」「人間関係」「会社の将来性」などが当てはまり、「まさにその通り」と思ってもらいやすくなります。
そもそもお仕事にあてる時間は1日の大半を占めることからも、不満は何かしら出てきやすくなりますよね。
そのように当てはまりやすいように、幅を利かせた言葉を使うことが重要となるんです。
まずは、紹介する商品が何を解決してくれるかを把握しましょう。副業系なら金銭面、ダイエット系なら健康面や恋愛面など、そのジャンルに合った質問を投げかけることで、商品への関心へ繋げやすくなります。
2. 特定の相手に向けて発信する
多くの人に当てはまりやすい言葉を使うとしても、その人だけに伝えていると思わせることが大切です。
同じ内容を全員に伝えたら「誰にでも当てはまることじゃん」と思われてしまうからですね。あくまでも個別に伝えるように、そのユーザーのことを言い当てていると感じさせる必要があります。
たとえば冒頭で例に出した血液型占いでも、4タイプに分類されているだけだど、信ぴょう性は低くなってしまいます。ただ、そこに星座や誕生日も含めるとより「自分のことだ」と信じやすくなります。
ただ、不特定多数のユーザーにメールを一斉配信するからには、そういった分類はかなり手間です。そこで手っ取り早くバーナム効果を使うのであれば、「みなさん」ではなく「あなた」を主語にしてみてください。メールを読んでいるユーザーは「あなた」と呼びかけられていることで自分ごとにしやすく、バーナム効果も発揮しやすくなります。
3. ポジティブな内容を多くする
人はネガティブな内容よりも、ポジティブな内容のほうを信じやすいものです。
占いやおみくじでも、悪い項目についてはあまり信じず、良い項目だけを意識することはありませんか?「あなたは今年大きな壁に直面するでしょう。しかしそれを乗り越えると素晴らしい出会いが待っています」というような内容があったとして、後半の良い内容が頭に残り、意識しやすくなると思います。
全体を通して良いことばかり言うと嘘っぽくなってしまうので、8:2、7:3くらいの割合で、ポジティブな内容:ネガティブな内容の文章を構成してみると良いでしょう。
バーナム効果はコールドリーディングとは異なる?
バーナム効果とコールドリーディングは、どちらもユーザーの心を読み取るということで同じようなものではないのか、と思われがちです。
ただ、以下のようにそれぞれ細かいところはことなります。
- バーナム効果…誰にでも当てはまることを伝えて、「自分のことだ」と思わせる“現象”
- コールドリーディング…事前の準備なしで相手の心を読んだように見せる“テクニック”
このようにバーナム効果は“現象”であり、コールドリーディングは“テクニック”です。なのでコールドリーディングを使う上で、バーナム効果を利用するという場合もあると思います。
コールドリーディングについてはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
バーナム効果はユーザーを惹きつけるために、非常に有効な手段です。
特にWebの世界では、相手の顔も見えず直接対話するわけではないので、信頼を得ることが難しいもの。ネットで商品を購入するとしたら、信じられる人から買いたいのが当然です。
だからこそ、あなた自身の信頼を上げるためにも、バーナム効果を活用してみてください。ユーザーに心を開いてもらうことが、成約へと繋がっていくはずです。